狩猟免許「鳥獣判別」の覚え方|覚えるのは狩猟鳥獣46種、それ以外は「×」
狩猟免許の技能試験でいちばん不安になる鳥獣判別。覚えるのは狩猟鳥獣46種で、それ以外は名前を覚えず「×」と書けば足ります。2026年8月に受験して第一種銃猟に合格した本人が、覚える量を減らす考え方と間違えやすい組み合わせをまとめました。

イメージイラストです。
この記事でわかること
- 鳥獣判別試験がどう行われるか(出題数・解答の書き方・訂正の仕方)
- なぜ覚える対象を狩猟鳥獣46種にしぼれるのか
- 狩猟鳥獣のなかにある落とし穴と、取り違えやすい組み合わせ
- 自分がやった覚え方の手順
2026年8月に東京都の狩猟免許試験を受けて、9月に第一種銃猟免許の合格が分かりました。
準備しているあいだ、いちばん気が重かったのが鳥獣判別です。 暗記科目が苦手で、鳥類は同じようにしか見えない種類もあり、悩みどころでした。
結論を先に書きます。 覚えるのは狩猟鳥獣だけで足ります。それ以外は名前を覚える必要がありません。
こう割り切ると、覚える量が一気に楽になります。 この記事は、その考え方と手順をまとめたものです。
なお、この記事は試験対策の話に限ります。 実際の猟のやり方については触れません。 基本は悩んだら捕らないが正解です。
鳥獣判別試験がどう行われるか
覚え方の前に、何を求められる試験なのかを押さえておきます。
鳥獣判別は技能試験の一部です。 モニターに映るスライドを見て、指定の用紙に答えを書いていきます。 自分が受けた東京都の試験も、事前講習で配られた資料も、次の形でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提示されるもの | モニターに映る鳥獣の図画・写真 |
| 出題数 | 16種類 |
| 1問あたりの時間 | 5秒程度 |
| 狩猟鳥獣だったら | 解答用紙に種名をひらがなかカタカナで1つ記入する |
| 非狩猟鳥獣だったら | 解答用紙に「×」のみを記入する |
| 書き直し | 二重線で消して書き直せる。ただしその問題がモニターに映っているあいだに限る |
紙の図板を1枚ずつめくっていく形ではありません。 1問ずつモニターに映り、映っているあいだに書き切る形です。
教科書の絵と、スライドの画像が違うことがある
事前講習では、判別の練習としてスライドで鳥獣が示されます。 そこで気づいたことがあります。
狩猟読本ではイラストで載っている鳥獣が、スライドでは写真になっていることがありました。 自分が受けたときは、例えばキジバトがそうでした。
イラストは特徴を強調して描かれています。 写真になると、その特徴が羽の陰や体の角度で見えにくくなります。 教科書の絵の形だけで覚えていると、写真が出た瞬間に手が止まります。
自分は講習のあいだ、教科書と絵柄が違うもの(15種類程度)に「写真」とメモを取りました。 そのうえで、名前を覚えるときに写真も一度見ておくようにしました。 図鑑でも、環境省や都道府県のページに載っている写真でも構いません。
技能試験は100点からの減点方式で、鳥獣判別は1問誤るごとに減点されます。 つまり、判別だけで落ちる試験ではありません。 点検・分解・結合や距離の目測など、他の項目と合わせた合計で見られます。
ここで注目したいのが解答方法です。
- 狩猟鳥獣 → 名前
- 狩猟鳥獣ではない → ×だけ
非狩猟鳥獣は、名前を書く欄がありません。 試験が求めているのは「その鳥の名前」ではなく「獲っていいかどうか」です。
ここが、覚える量を減らせる根拠になります。
そしてもうひとつ。 名前はひらがなでもカタカナでも構いません。 漢字で書ける必要はないので、覚えるのは音だけで足ります。
覚えるのは狩猟鳥獣46種
日本には鳥類が約550種、獣類が約80種いるとされます。 そのうち狩猟鳥獣に指定されているのは、2026年9月時点で鳥類26種・獣類20種の合計46種です。
覚える対象は、この46種に限られます。
鳥類26種
カワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、 ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、 ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く)、キジ、コジュケイ、ヤマシギ、タシギ、キジバト、 ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
獣類20種
タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(ツシマテンを除く)、イタチ(オスに限る)、 シベリアイタチ、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、 イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌートリア、ユキウサギ、ノウサギ
古い教材は48種になっている
ここは注意が必要です。
ゴイサギとバンは、2022年(令和4年)9月15日に狩猟鳥獣から外れました。 全国鳥類繁殖分布調査で、生息が確認される地点が大幅に減ったためです。
それ以前は鳥類28種で、合計48種でした。 ネット上には48種のまま更新されていない情報がかなり残っています。 中古の問題集や古いまとめ記事を使う場合は、まずこの2種を確認してください。
逆に言えば、ゴイサギとバンは今なら「×」が正解です。
狩猟鳥獣のなかにも落とし穴がある
「狩猟鳥獣=○」と単純化しきれない種があります。数は多くないので、個別に潰します。
性別で分かれるもの
| 種 | 扱い |
|---|---|
| イタチ | オスのみが狩猟鳥獣。メスは狩猟鳥獣ではない |
| キジ(メス) | 令和4年9月15日〜令和9年9月14日、全国で捕獲禁止 |
| ヤマドリ(メス) | 同上、全国で捕獲禁止 |
イタチは種の指定そのものが「オスに限る」となっています。 キジとヤマドリのメスは、種としては狩猟鳥獣ですが、環境大臣の指定で期間を区切って捕獲が禁止されています。 成り立ちは違いますが、受験対策としては「オスだけ」と覚えておけば足ります。
なお、自分が受けた回では、オスかメスかを答えさせる出題はありませんでした。 ここは回によって変わる可能性があるので、覚えておく必要はあります。
亜種や地域で分かれるもの
| 種 | 除かれるもの |
|---|---|
| ヤマドリ | コシジロヤマドリ(腰が明瞭な白色)は狩猟鳥獣ではない |
| テン | ツシマテンは狩猟鳥獣ではない |
| ヤマシギ | アマミヤマシギは狩猟鳥獣ではない(天然記念物) |
| シベリアイタチ | 長崎県対馬市の個体群は狩猟鳥獣ではない |
このあたりは、出題される可能性と覚える手間を天秤にかけて判断してください。 自分は「ヤマドリの腰が白かったら×」だけ頭に入れて、残りは深追いしませんでした。
地域で捕獲が禁止されているもの
ツキノワグマやシマリスのように、地域を限って捕獲が禁止されているものもあります。 ただし試験の図画は地域情報なしで提示されるため、判別試験では種として扱って構いません。 地域ごとの禁止は、知識試験および実際の狩猟者登録の場面の話です。
間違えやすい組み合わせ

覚える対象を46種に絞っても、似た非狩猟鳥獣と取り違える危険は残ります。
環境省が公開している「狩猟鳥獣の見分け方 ~誤認捕獲の防止のために~」というパンフレットが、 まさにこの紛らわしい組み合わせを図で整理しています。 本来は誤認捕獲を防ぐための資料ですが、判別試験の対策資料としてそのまま使えます。
同パンフレットで取り上げられている組み合わせを整理すると、こうなります。
鳥類
| 狩猟鳥獣(○) | 取り違えやすい非狩猟鳥獣(×) |
|---|---|
| カモ類全般 | オシドリ、トモエガモ、ホオジロガモ、ウミアイサ、マガン |
| クロガモ | ビロードキンクロ、コオリガモ |
| カワウ | オオバン、バン |
| ヤマシギ、タシギ | オオジシギ、タマシギ、ヒクイナ |
| (旧・狩猟鳥のゴイサギ) | ヨシゴイ、ササゴイ、そしてゴイサギ自身 |
| キジ、ヤマドリ | コシジロヤマドリ、ウズラ |
| ヒヨドリ、ムクドリ | ツグミ、モズ、オナガ、カケス |
| スズメ、ニュウナイスズメ | カワラヒワ、ホオジロ、カシラダカ |
| キジバト | アオバト、ドバト |
とくにカモ類が山場でした。
たとえば、顔が黒いのでクロガモかと思ったら、体は灰色だからスズガモ、といった具合です。
鳥の見分けは、最後までここがいちばん苦しいところでした。
1. ×のカモは、代表だけ押さえる
狩猟鳥獣のカモは11種です。 マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、 ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ。
一方で、日本で見られるカモの仲間はこれよりずっと多く、 ×のほうを全部覚えるのは大変です。
ただ、環境省の判別パンフレットが「取り違えやすい」として挙げているものは限られています。 カモでいえばオシドリ、トモエガモ、ホオジロガモ、ウミアイサ、ビロードキンクロ、コオリガモ。 ここだけ顔で覚えておけば、残りは「知らない鳥=×」の判断に落とせます。
2. ○のカモは、顔ではなく体の特徴から見る
特徴をひとつだけ名前に結びつけておくと、図を見た瞬間に引き出せます。
- ハシビロガモ — くちばしが広い
- カルガモ — ニュースで話題になる「カルガモの親子」
- ヨシガモ — 頭がつやつやの緑。よしよししたくなる頭
こうした覚え方は、事前講習でも狩猟読本(教科書)でも紹介されます。 あとは自分なりのものを足していきます。
獣類
| 狩猟鳥獣(○) | 取り違えやすい非狩猟鳥獣(×) |
|---|---|
| イタチ(オス) | イタチ(メス)、オコジョ |
| テン、ミンク、シベリアイタチ | オコジョ |
| タイワンリス、シマリス | ニホンリス、ムササビ、モモンガ |
| ニホンジカ | カモシカ、キョン、ニホンザル |
最初に戸惑ったのは、次の3組です。
- イタチ・テン・ミンク・オコジョ・ハクビシン — 体の色と尾の色で判断します
- タイワンリス・シマリスとニホンリス — 写真やイラストでは大きさが分からないので、色(縞)や耳の形で判断します
- ムササビとモモンガ — ぱっと見は同じですが、どちらも非狩猟鳥獣なので、まとめて「×」と覚えておきます
実際にやった手順

順番だけ書いておきます。
1. 狩猟鳥獣46種の名前を、リストとして先に頭に入れる
見た目より先に名前です。 「この46個に入っていなければ×」という判断の枠を最初に作ります。
2. 名前と図をセットにする
図を見て名前が出るところまで持っていきます。 非狩猟鳥獣の図は、この段階では触りません。
3. 似たものだけ、あとから比較する
ここで初めて非狩猟鳥獣を見ます。 ただし名前は覚えません。「狩猟鳥獣に似ているが違うもの」という区別だけで足ります。
4. 5秒で判断する練習をする
図を見て5秒以内に○×と名前が出るか確かめます。 迷った時間を測っておくと、詰めるべき種が浮かび上がります。
5. スマホで回せる形にする
自分は、集めた画像をAIに渡して、スマホで答えられる判別アプリのようなものを作りました。 空き時間はそれを回していました。
紙のカードより続いたのは、空き時間に手元ですぐできるからです。 スマホを手に取るたびに「勉強しないと」と思い出せるのもよかったです。 答えの画面に特徴の説明を出したり、出題の順番をランダムにしたりもできます。
画像を集めるときは、出どころに気をつけてください。 自分の手元で使うだけならともかく、 集めた画像を配ったり、アプリごと公開したりすると話が変わります。 環境省や都道府県が公開している判別パンフレットの図は出どころがはっきりしているので、 そこから始めるのが安全です。
6. 迷ったら「×」と決めておく
本番で悩む時間がいちばんの敵です。 名前がすぐ出ない=狩猟鳥獣として覚えきれていない、と割り切って×に倒しました。
見たことがない鳥獣が映ったら、考えずに「×」。 狩猟鳥獣の名前だけを徹底的に覚えておけば、この判断が迷いなくできます。
事前講習の範囲を優先する
東京都の場合、猟友会の事前講習で扱う鳥獣の範囲は絞られています。 まずそこを確実に覚えるのが効率的でした。
46種を完璧にしてから講習資料に入るのではなく、 講習で示された範囲を固めてから、余力で46種全体に広げる順番をおすすめします。
配られた資料には、鳥獣判別の参考資料として下記のような範囲が挙げられていました。
- 狩猟読本 P1〜P10、P59〜P131、P198
- 例題集 P165〜P166
※年によって変わりますので、参加した事前講習の資料に準じてください。
事前講習には出ておいたほうがいい
鳥獣判別も、事前講習に出る価値は十分にありました。
- 判別用のスライドで、本番に近い形の画像を見られる
- 教科書ではイラストの鳥獣が、写真で示されることがある
- どこを重く見ればいいのか、出題の傾向として解説がある
独学でも46種は覚えられます。 ただ、どこから手をつけるかを自分で決めるのが難しいと感じました。 そこを短くできるだけでも、受ける意味はあります。
もちろん、講習に出れば問題が分かるという話ではありません。 「ここから出ます」といった説明はありませんでした。 46種の準備は、結局やっておく必要があります。 写真も見ておく必要があると分かったのも大きいです。
東京都の場合、事前講習は猟友会が開いていて有料です。 金額と申し込み方は狩猟免許の事前講習は受けるべきかにまとめています。
ちなみに自分が受けた回では、鳥獣判別にあてられたのは10時20分から11時10分までの50分でした。 スライドに鳥獣を1種ずつ映しながら、特徴を確認していきます。
まとめ
- 鳥獣判別は16問・1問5秒、狩猟鳥獣は名前だけ、それ以外は ×だけ
- 名前はひらがなでもカタカナでもいい。漢字は要らない
- 覚えるのは狩猟鳥獣46種(鳥類26・獣類20)
- 非狩猟鳥獣の名前は覚えなくていい。解答欄が「×」だから
- 教科書がイラストでも、スライドは写真のことがある。写真も一度見ておく
覚える対象を絞れば、鳥獣判別は準備で埋まる項目になります。 自分はこの整理で通りました。 手応えとしては、16問のうち9割くらいは合っていたと思います。
※この記事は東京都で2026年8月に第一種銃猟免許を受験した際の内容にもとづきます。 狩猟鳥獣の指定は法令改正で変わります。実際に2022年にはゴイサギとバンが外れており、 2026年現在も環境省で基本指針の見直しが進められています。 受験の際は、必ず環境省およびお住まいの都道府県の最新情報をご確認ください。
※鳥獣判別試験の実施方法(図画の数・時間・採点)は都道府県によって運用が異なる場合があります。 この記事で挙げた数値は、自分が受けた回と、事前講習で配られた資料にもとづくものです。 受験する都道府県の募集要項を必ずご確認ください。
※狩猟免許を取得しても、それだけで銃を所持できるわけではありません。 銃の所持には公安委員会への別途の手続きが必要です。
出典
- 狩猟制度の概要|環境省 — 狩猟鳥獣の種類(鳥類26種・獣類20種)、狩猟免許の種類
- 狩猟鳥獣の見分け方 ~誤認捕獲の防止のために~(一部改定版)|環境省(PDF) — 狩猟鳥獣と誤認されやすい非狩猟鳥獣の見分け方、ゴイサギ・バンの除外
- 参考資料1 狩猟鳥獣の法的な定義等|環境省(PDF) — 狩猟鳥獣の法的定義、捕獲の禁止・制限の内容
- 狩猟免許試験の試験内容について|高知県 — 技能試験の減点方式と合格基準
- 狩猟免許試験について|東京都環境局 — 東京都の試験区分と内容
- 狩猟鳥獣の種類等について|東京都環境局 — 東京都における捕獲禁止の区域
- 狩猟におけるルール|宮城県 — メスキジ・メスヤマドリの捕獲禁止期間(令和4年9月15日〜令和9年9月14日)
- 鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針改正案に関する意見の募集|環境省 — 2026年に進行中の基本指針見直し