なぜ狩猟をはじめたのか|免許を取る前に、解体を見に行った話
狩猟に興味は湧いたけれど、自分が獲物の解体に耐えられるのか分からない。そこで免許を取る前に、知人に頼んで狩りから解体までを見せてもらいました。第一種銃猟免許を受けるまでに考えたことの記録です。
※この記事にはアフィリエイト広告を含みます。 商品リンクから購入された場合、当サイトに収益が発生することがあります。
狩猟をはじめようと思ったきっかけと、 免許を受ける前に確かめておきたかったことについて書きます。
きっかけは、3年前に観た番組だった
はじまりは3年ほど前、Amazonプライムの 『今田×東野のカリギュラ』という番組を観たことでした。
そのなかに「東野、鹿を狩る」という企画があります。 東野幸治さんがサバイバル登山家の服部文祥さんに教わりながら、 北海道の占冠村で鹿を狩る。そして血抜きをして、解体して、食べるところまで映る。
獲るところで終わらず、食べるところまで通しで見せたのが、 自分にとっては大きかったです。
番組をきっかけに、服部さんの本も読みました。
正直なところ、細かい内容はもう覚えていません。 ただ「自分で獲って捌いて食べる」という考え方だけは、 頭の片隅に残り続けていたのだと思います。
3年経って免許を取りに行ったのだから、たぶんそういうことです。
そのときすぐ動いたわけではありません。 ただ、そこからおぼろげにアンテナを張るようになりました。
東出昌大さんのYouTubeで、具体的になった
2年ほど前から、東出昌大さんのYouTubeが公開されるようになり、 ちょこちょこ観るようになりました。
惹かれたのは、狩りそのものよりも獲った獲物を美味しく食べている場面です。 自分で獲って、自分でさばいて、食べる。 その一連が地続きになっている暮らしを見て、「自分にもできないかな」と思いました。
スーパーで肉を買うのとは、まったく違う話です。 そこに手を伸ばせるなら伸ばしてみたい。そこからはじまりました。
引っかかっていたのは「解体」だった
ただ、ひとつ引っかかっていたことがあります。
自分は、獲物の解体に耐えられるのか。
画面越しに見るのと、目の前でやるのは別だろうと思っていました。 そこで気持ちが折れるなら、免許を取っても意味がありません。
この不安には、はっきりした根拠がありました。
私は、スプラッターやホラー映画が苦手です。 作り物だと分かっていても直視できません。 その自分が、本物を目の前にして平気でいられるとは思えませんでした。
狩猟の入口でつまずくとしたら、たぶんここです。 道具でも法律でもなく、自分の感覚のほうです。
3回、猟に同行させてもらった
ちょうど2年ほど前、狩猟をしている方と知り合いました。 そこで思いきって「同行させてもらえないか」と打診しました。
先に、誤解のないように書いておきます。
私自身は狩猟をしていません。 銃も持っていません。 当時は免許を持っていない状態だったので、 見学させてもらい、獲れた獲物を下ろす作業を手伝わせてもらっただけです。
狩猟免許が必要になるのは、猟具を使って捕獲する行為です。 捕獲を伴わない見学や、捕獲したあとの解体の手伝いは、これに当たりません。
なお、巻狩りで獲物を追い出す勢子(せこ)は別です。 大日本猟友会は2022年4月1日付けで、 銃猟免許を持たない構成員を巻狩りの勢子として参加させないというルールを定めています。 私は勢子はしていません。
参加の仕方によって扱いが変わります。 同行を考えている人は、必ず事前に受け入れ側と、何をしてよいかを確認してください。
1回目:2025年2月 — 単独猟。獲れなかった
最初の同行は単独猟でした。ひとりで山に入る形の猟です。
このときは獲物が獲れませんでした。 狩猟は行けば獲れるものではない、というあたりまえのことを、まず体で知りました。
2回目:2025年10月 — 巻狩りで、初めての解体
2回目は巻狩りでした。犬を使い、複数人で獲物を追う猟の形です。
このときは鹿が2頭。ここで初めて解体を見て、少し手伝わせてもらいました。
3回目:2025年12月 — 巻狩りで4頭
3回目も巻狩りで、このときは4頭でした。
手伝ってみて分かったこと

イメージイラストです。
結論から書くと、思っていたより平気でした。
スプラッター映画が苦手な人間が言うのもおかしな話ですが、 心配していた「受けつけない」という感覚にはなりませんでした。 気持ちの面でつまずくことはなかった、というのが正直なところです。
作り物を怖いと感じるのと、 目の前の命が食べ物に変わっていく過程を見るのとは、 まったく別のことでした。
代わりに、まったく別のところでつまずきました。技術と道具です。
手際が悪く、あたふたした
手伝わせてもらったものの、手際が悪くてあたふたしました。
理由ははっきりしています。肉が上手く切れないことと、切り方の流れが分かっていないこと。
刃をどこに入れるのか。関節はどこで外れるのか。 知らないまま手を動かしても、身はきれいに外れません。 そして流れが分かっていないと、食べられる部分が減ってしまいます。
命をもらっておいて、自分の下手さで食べるところを減らす。 これは想像していなかった申し訳なさでした。
切れないナイフを持っていった
もうひとつ、はっきりした失敗があります。
切れないナイフを持っていきました。
結果、まったく切れませんでした。 力任せに押しても刃が入らない。作業が進まない。
ここで道具の大切さを骨身で感じました。 狩猟の道具というと銃や罠を思い浮かべますが、 獲ったあとに使う刃物のほうが、最初に効いてきます。
これから始める人にも、勧めたいこと
振り返って、この順番でよかったと思っています。
興味を持つ
↓
猟に同行させてもらう ← ここを先にやった
↓
自分は大丈夫だと分かる
↓
免許を申し込む
狩猟は、免許を取るまでにお金も時間もかかります。 全部済ませたあとで「やっぱり無理だった」となるのが、一番もったいない。
先に一度、現場を見せてもらう。 知り合いに狩猟をしている人がいるなら、頼んでみる価値があります。
もし周りにいなければ、猟友会に相談するという手もあります。 地域によっては、狩猟の体験会や見学の機会が用意されていることがあります。
そして、もし解体を手伝わせてもらえるなら、 切れるナイフを持っていってください。 これは本当にそう思います。
そして、抽選だった
自分が大丈夫だと分かったので、免許試験に申し込みました。
ただ、東京都の狩猟免許試験は抽選制です。 申し込めば必ず受けられるわけではありません。
なので、正直なところ 「当たったら受けるか」くらいの気持ちで申請しました。
そして当たりました。そこから先は、また別の話です。
→ 東京都の狩猟免許試験は抽選制|申し込みの流れと必要書類のすべて
出典
- 狩猟制度の概要|環境省
- 認定鳥獣捕獲等事業者制度 FAQ|環境省 — 捕獲作業を伴わない補助的行為に狩猟免許は不要
- 「巻狩り猟の勢子」に関し、新たなルールを制定しました|大日本猟友会 — 2022年4月1日付
※この記事は個人の経験の記録です。狩猟は法令で厳格に定められた行為であり、 免許と登録を受けずに行うことはできません。
※同行や見学の可否、どこまで手伝ってよいかは、受け入れ側の判断と地域の運用によります。 参加を考えている場合は、必ず事前に確認してください。
※このブログでは、猟場の具体的な場所や、銃・装備の入手方法は扱いません。